塩原01

二人の女性に逢う為に向かった先は谷間に

昔から栄えた温泉場でありました。

落人伝説が今も残る湯西川から山を越えて

この地にたどり着いたのは

平 貞能公と小松殿(平 重盛)の妹 妙雲禅尼、

塩原06

彼女はこの地に小さな草庵を結び一生を終えたと

伝説は伝えています。

今を去る八百年の昔のこと。

塩原03

妙雲尼を偲んでこの地に建てられたのは

甘露山妙雲寺

牡丹の花の頃を外せばいたって静かな佇まいであります。

塩原04

もう一人の女性は、寛永18年ここ塩原元湯で生まれた「あき」。

水戸の湯治客の紹介で

江戸吉原の妓楼「三浦屋四郎左衛門」の養女となり、

女としての嗜みを修得する。

塩原05

しかし運命とは皮肉なもの、

振袖火事で全焼した三浦屋再建のため養育の恩返しと

遊女となり「高尾」を襲名。

才色兼備の名妓も病には勝てず

「寒風にもろくもくつる紅葉かな」

の辞世を残して19歳で無くなった。

戒名「転誉妙身信女」。

あの高尾太夫と会っているのであります。 

苔むした石碑に合掌。

塩原02

方や平家落人としてこの地に消えた「妙雲尼」、

そして700年の時空を超えて現れ消えた「高尾太夫」。

歴史とは何というドラマを垣間見せてくれるのでしょうか。

人気(ひとけ)の消えた境内で二人との逢瀬を楽しむ旅の途中・・・。

塩原07

栃木 塩原温泉「妙雲寺」にて