岩崎邸01

山背が吹いているのだろうか

みちのくの賢治がオロオロした

あの山背が・・・

岩崎邸02

冷たく湿った北東風は雲や霧を発生させる

太陽を隠してしまう雲は気温を上げることを妨げると

米作りの人々を絶望の淵に落とし込む。

飢餓を呼ぶ風にならなければよいが・・・

岩崎邸03

仕事が一段落して街にでてみた

まるで軽井沢の高原にいるような涼やかな風が吹いている

この膨大なエネルギーを吐き出し続ける大都会が

たとえ一時にせよ

汗もかかずに歩けるのはあの山背のお陰だとしたら、

農業と全く縁の無くなった街の人々は

「凌ぎやすくていいですね」

と挨拶を交わしている。

岩崎邸04

時代が百年以上も遡ってしまった屋敷の中で

ぼんやりと本を読む。

あの大財閥が造り出した洋館にはクーラーは無い。

開け放たれた窓から流れ込む風は

真夏の都会に吹く風とはとても思えないほどの清々しさ、

岩崎邸05

こんな涼やかな日がずーっと続いて欲しい

などという贅沢は言うまい。

たった一日いや一時でもいい、クーラーから開放された

やさしい風に吹かれるなら。

岩崎邸06

(岩崎邸にて)