江戸の昔、歌舞伎は浅草猿若町の中村座・守田座・市村座の三座に

だけ限られておりましたが、明示維新とともに新政府は東京の歌舞伎を

十座に限ると決めてしまうのです。

十二代目守田勘彌は明治5年(1872年)守田座を新富町に移転し新富座を

と改称して歌舞伎を続けたのです、それは木挽町(現銀座)に新歌舞伎座が

建設される17年も前のことで、新富町が歌舞伎の中心地になったということ

でもあったのです。

(義経千本桜吉野山 佐藤忠信(男子 小4))

その新富町に平成19年、地芝居としてのこども歌舞伎を旗揚げしたのです。

アタシの祭り行脚の中で、近頃こども歌舞伎を観る機会が増えましてね、

那須烏山、秩父小鹿野、東京あきるのなど、こども達の真剣なまなざしに

惹きつけられてしまうのです。

さて今回は、その新富座こども歌舞伎が

鐵砲洲稲荷神社例大祭 奉納歌舞伎として演じられると聞き、早速出かけて

まいりました。

(義経千本桜吉野山 早見藤太(男子 小4))

長い口上をよどみなく演じきったこども役者にまずはびっくり、

その口跡、抑揚のとり方、落ち着いた演じ振り、よほどの稽古も

さることながら、指導する方々の力を感じさせるものでしたね、

この鐵砲洲稲荷神社の氏子町内は、昔からの歌舞伎に縁の深い町、

その町に流れている歌舞伎魂がきっと素晴らしい演技を生み出して

いくのかもしれませんね。

時間に遅れたため第三幕のお馴染みの、白浪五人男 稲瀬川勢揃いの場

になんとか間に合いました。

白浪五人男 稲瀬川勢揃いの場

 日本駄右衛門   男子(小6)

 弁天小僧菊之助  女子(小5)

 忠信利平     女子(小4)

 赤星十三郎    女子(小3)

 南郷力丸     女子(小5)

 捕り手      女子(小3)、男子(小2)

          男子(小2)、男子(小2)

続いてお馴染みの、白浪五人男 稲瀬川勢揃いの場

地囃子は大人で固めているので、舞台が絞まります、

勿論演じるのは平成の現代に生きるこども達です、

白浪五人男のうち四人が女子、唯一の男の子(日本駄右衛門)に

会場からヤンヤの掛け声が飛ぶのでした。

小学生だと圧倒的に女子が大人びて見えるものですね。

それにしても

あの名台詞をよどみなく唱え、一人ひとりが大見得を切る度に

拍手と歓声が沸き起こり会場が一体になっているのはなんと

素晴らしいことでしょうか。