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昨年久しぶりに真冬の秩父夜祭に出かけましてね、

十年ほど前に車で出かけてその混雑にびっくり、秩父は歴史、民俗学の

上からも何度も通い詰めていた土地ですから慣れていたつもりでしたのに

祭りだけは全く別の次元の出来事でしたね。

普段静かな山の街がどうにかなってしまったほどに人の姿が溢れかえって

おり、祭りに対する街の人々の想いが半端ではないことを実感いたしました。

昨年は、池袋から特急レッドアロー号で通い詰めたのでした。

半分居眠りしながらでも、一時間半後にはもう山の街に立つことが

できるのですから、車でわざわざ混雑の中へ突っ込んでいくことはなかったのですよ。

さて、昨年の夜祭の中で、ある老人から

「夏も祭りをやっているんだよ」

と思わぬ話を聞けましてね、

なんでも、12月のお祭りが大人達の祭りなら、7月の祭りは子供達が主人公、

山車や傘鉾も同じように曳き回されるのだというのです。

最近は土日に合わせて祭りをやる町が増えているなかで、秩父は、その祭り日を

きちんと守っているのです。

夏の祭りは、「秩父川瀬祭」と呼ぶのだそうですが、秩父神社の境内にある

日御碕宮の祭礼で祭神は勿論素戔嗚尊、7月19日が宵宮、20日が神輿を荒川に

入れて禊をする川瀬祭りなのだとか。

仕事を済ませて、池袋18時30分発の特急に何とか乗り込んだのですが、

秩父着は20時頃になりそうですよ、宵宮ですから何とか間に合うかもしれない

と買い込んだお弁当で腹ごしらえ、なんだか遠くへ旅する気分です。

秩父駅に着くと、駅前は閑散として、本当に祭りをやっているのか不安に

なるほど静かなんです。

あの12月の夜祭の時は、駅前は人の波で埋まっていたんですよ。

秩父鉄道の踏切を渡り秩父神社への参道商店街へすすむと、ちらほら浴衣姿の

人が現れはじまましてね、どうやら祭りの舞台は神社の境内のようです。

神社に足を踏み入れると、山車と傘鉾が勢ぞろいして、丁度屋台囃子の

競演が始まったばかりでした。

秩父屋台囃子といえば太鼓を斜めに置いてそれを足で挟み込むようにし

て叩く姿が思い浮かぶのですが、山車の中で叩くには、あの腹筋を

鍛えなければ叩けない狭い空間があの姿勢を作り上げたことが、

目の前の山車の中で演じられていることで、よーく理解できました。

張られた膜の隙間から太鼓を押さえている脚だけがちらりと

見えるのですからね。

屋台と傘鉾の上では、囃し手が提灯を振りながら囃したてる、

「ホーリャイ、ホーリャイ」

そして

山車を曳く 曳き子が声をそろえている、みんな子供達なんです、

まったく冬の夜祭りと同じように子供達に体験させているのです、

そうですよ、この伝承ががなければ祭りは途絶えてしまうはずです、

祭りの本番の中で経験を積ませるという方法こそ、練習ではつかみきれない

祭りの楽しさまでも伝えられるのですね。

神社の禰宜さんにお尋ねすると、

平成殿の前に一本の桂を指差して、

「この柱を立てることで、神が降臨されるのです」

それはあの諏訪の御柱のように古い形式をとどめているのです、

川瀬祭りの名の起こりをお尋ねすると、

「七月のお祭りは祇園祭の影響を受けておりますが、そのもっと昔から

すぐ傍を流れる荒川で禊をするという土俗的な信仰があったのでしょう、

そのために神輿を川に浸けるという 神輿洗いの神事が今に残されているのです」

「なるほど、それで川瀬祭りというのですね」

境内に集まっていた山車と傘鉾がいよいよ動き始めます、

これから各町内へ戻るために一台、また一台と神社を後にしていきます。

子供達の

「ホーリャイ、ホーリャイ」

の掛け声が響く中、あの冬の夜祭と同じように羊山から花火が上がりました。

「ドカーン!!」

町中が震えるほどの大音響とともに花火が傘鉾を浮かび上がらせのです。

「ああ、なんて美しいのだろう・・・」

人出はほとんど地元の方ばかりですが、その祭りへの心意気は

全く変わることはありません、

じょじょでまたひとつ確かな情報をお聞きいたしました、

「明日の夜はうちの屋台(東町)が団子坂を駆け上がるんだよ」

12月の夜祭には何度も伺っておりましたが、あの団子坂だけは

人で埋まっていて近寄ることもできなかったのです、

いつか川瀬祭りにきて団子坂の駆け上がりを見てみようと

思うのでございます。

花火の音を聞きながら、駅へ戻ることにいたしますか、

最終の特急に乗らないと、今日中に我が家へ帰りつけませんのでね、

日御碕宮の祭礼は子供達の力によって、悪霊退散を祈る 祇園祭を

立派に行っておりましたよ。

この夏の祭りが、あの真冬の夜祭に確実につながっていることを

確信できた祭り旅の途中のことでございました。

秩父は麗しい町です。

平成13年7月19日記す。