最近は埼玉の熊谷から暑さのお株を移してしまったような

猛暑の町館林からわずか20分ほどしか走らないのに、

足利の町は温度が2度も下がっている。

渡良瀬川と町の背後を囲む山並みが暑さを抑えてくれて

いるのかもしれない。

久しぶりに歴史の街を歩いてみようと思ったのは、

ひと息ついた涼しさかもしれない。

大門通りの石畳はしっとりと雨の跡を残している、

「あまから屋」のTさんを訪ねる、

顔を合わせた瞬間

「お互いに肥えたね!」

前回訪ねてから5年近くの月日が経っていたんですね、

Tさんは昨日逢っていたような親しさで何時ものように

話を続けるのです。

大門通りも店主がみんな高齢化して、やれなくなってしまった

と顔を曇らせた。

子供達のために石に動物の顔を描いてその楽しさを伝えたり、

提灯を自作して、灯りの祭りを行ったり、

古くからある蔵を再生したりと、孤軍奮闘の人生から、

町の為に何をするか沢山の意見をお聞きしてきたのです。

「娘さん、大きくなったでしょ」

大門通りで一番若かった子供さんも、高校受験生になったと

ぽつりと語った、

その裏には、もう子供たちがこの通りにいなくなったことを

意味していたんです。

「華やかさは欠けるかもしれないけど、

できることを諦めずに続けていくよ」

Tさんとの会話は何時も前を向いていける元気を

与えてくれるのです。

自家製の寒天であんみつを作ってもらう、

「他所から買ってきたものを出すわけじゃないから

客が減っても何とかやってられるのかもね」

「あまから屋」の看板は当分安泰ですよ。

その裏には、もう子供たちがこの通りにいなくなったことを

意味していたんです。

「華やかさは欠けるかもしれないけど、

できることを諦めずに続けていくよ」

Tさんとの会話は何時も前を向いていける元気を

与えてくれるのです。

自家製の寒天であんみつを作ってもらう、

「他所から買ってきたものを出すわけじゃないから

客が減っても何とかやってられるのかもね」

「あまから屋」の看板は当分安泰ですよ。

町をひとめぐりしているうちに、夕暮れがそこまで

迫っていた、

足元に固まっていた猫はてっきり石で描いたものだとばかり

思っていたら、突然、ニャーン、

「Tさん、この町は、本物だか作り物だか

わからない楽しい町になっていますよ」

暑さにひといきついた石畳の町で旅を味わっています。