旅の途中

青梅大祭

櫻にうつつを抜かして歩き廻っているうちに

鯉幟が空高くタナビク季節になりました。

五月の声を聴くと東京の下町はいよいよ夏祭りの

到来でございますよ。

毎年下町の祭りの先陣を切るのが下谷神社の御祭礼、

矢継ぎ早に、神田祭に、地元浅草三社祭、湯島天神に

五條天神、さらに鉄砲洲稲荷に神田三崎稲荷、新橋烏山と

息つく暇もないほど祭りが続くのでありますよ。

今年の松の内が終わった真冬に、青梅のだるま市を

お訪ねしましてね、住吉神社の境内でお目にかかったご老人と

祭り話に華が咲き、こちらがかなりの祭り狂いと察していただいてか、

「是非、五月の青梅大祭にいらして下さい」

とお誘いを受けたのですよ。

「よぅーし、今年の夏祭りのカワキリは青梅からにしよう」

と決めていたのです。

通いなれた青梅の町も、東の浅草からは三回電車を乗り継いで

2時間弱で青梅駅着でございます。

前回の青梅駅前には大きなだるまが飾られておりましたが

今回は祭り提灯に飾られた「青梅大祭」の大看板のお出迎えで

ございます。

あいも変わらず下調べなしの祭り行脚でございます、

旧青梅街道に出ると、歯切れのいいお囃子とともに山車がやって

まいります、

どうやら、これから住吉神社への参拝なのでしょうか、

(住江町(宮本)の山車)

牛に引かれていくのは善光寺、山車に曳かれて住吉神社へ・・・

それにしても、山の町に海の神様を祀る住吉大神とはどのような

いわれがあるのか興味はつきませぬ。

アタシもまずは住吉大神に参拝と伺えば、目の前の急階段に恐れをなしましたが、

毎日、八千歩づつ歩いて祭り行脚に備えてきた体力を押し計るには

最初の試練でございますよ。

一気にとはいきませんでしたが、途中二度の小休止を挟んでなんとか

本殿へたどり着きました。

町の喧騒とは異なり静寂の境内で手を合わせます。

(本町の山車人形)

なんでも、青梅大祭はこの住吉神社の祭礼が始まりとのこと、

まずは氏子五町の住江町(元町)・本町・仲町・上町・森下町を

訪ねてまいりますかね。

途中で出会った地元のカメラマンの方にいろいろ教えを請うと

急に祭りの華やかさを感じ始めました。

まず、祭り衣装がいいですね、中でも拍子木を持つ木頭、

その町内で選ばれた祭り男というのでしょうか、なんでも一生に一度の

晴れ姿なんだとか、まるで花道で見得を切る歌舞伎役者ですな、

そしてお囃子の歯切れの良さは江戸の粋を感じさせるでは

ないですか、思わず惹き込まれてしまいました。

(祭りの花形 拍子木方)

本町のお神酒所をお訪ねすると、素晴らしい人形ががざられておりますよ、

明治時代までは山車の上に乗せられていたとか、作者はあの原舟月、

各地の山車祭りで目を惹く山車人形が目の前で観られるとは感激で

ございます。

青梅駅前では各町内の山車が集まるとお聞きし早速その駅前広場へ、

どうやら、先ほど参拝した住吉神社へ各町の山車が順番に参拝するための

待機場所になっているのでしょうか、

一台出発すると次の町内山車が入ってくるのです。

その先頭にはあの伊達姿の木頭が大きな拍子木を頭上に掲げて

高らかに木の音を響かせると、集まった山車の中からあの歯切れのいい

お囃子の競演が始まるのです。

若い囃子手達の叩き合いはそれはそれは見事なものですな、

思わず身を乗り出してしまいますよ。

辺りが薄闇に覆われる頃になると、山車に灯りが点ります、

仲町の山車が参拝に向かう後ろを附いてまいりますかね、

住吉神社の大鳥居を山車が潜ると、町内の氏子衆が神に手を合わせ、

木遣りが始まるのです。

まるで江戸の祭りをそのまま観ているようです、

青梅の町はきちっと伝統を残しながら自分達の町の祭りを

大切にしていることがひしひしと伝わってまいります。

だるま市で出会った老人の言った言葉が実感として

胸に伝わってまいります。

青梅の祭りは町衆のまつり、

落ち着きのある大人の祭りでありました。

何度も訪ねたくなる祭りでございます。

(青梅大祭 宵宮にて)

Categories: 日々

古代からのささやき » « 遅咲き桜

2 Comments

  1. 散人さま
     おかわりなくお元気そうで、ご無事に今年も桜から祭りにシフトされましたご様子。
    なによりでございますね!
     私もこの連休に嬉しお誘いを受けて庄川あたりへ鮎をたべに連れてって貰いました
    女三人の気楽なドライブで、大好物の鮎やイワナの塩焼きを堪能し、水公園では
    かねてから見たかった、割り箸七万本を使ったという小さな橋をみたり・・・・
    庄川を本の小一時間ですが遊覧船に乗ったりと小さな旅を楽しんでまいりました
    その道中、城端の町がお祭りだったので立ち寄りました!
    ちょうど「庵歌」の所望席を通りがかり聴けましたし!あの、きよべさんにも立ち寄ってまいりました・・・懐かしかったですよ=

    • sanjin

      2018年5月7日 — 8:28 PM

      まい様
      桜から祭りへのシフトもいつも通りいくつもりでしたが
      心と体がかみ合わなくてスムースとはいかず、これが老い
      というものかとしばし呆然としておりましたよ。

      庄川のアユ、城端の祭り、あの江戸端唄を所望席で
      扇子を受け取った日々を思い出しましたよ、
      きよべさんお元気でしたか、あんなに気楽に富山、金沢へ
      出かけておりましたのに今は躊躇が先に立ち、つい近間の
      旅になってしまいました。

      旅を日常にしよう と意気込んでいたことが今はうそのようです、
      それでも、中性脂肪と血糖値を気にしながら次なる旅を
      探すことだけは諦めたくないと密かに鬼姫様のご機嫌を伺いながら
      策を練っております。
      すべての元気の素は健康です、
      まい様もどうぞご自愛くださいまし。

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