大音響を響かせていた流れは

日の落ちる刻を待っていたのだろうか

やがて冷気が辺りを包み始めると

音が消えた

いや流れが消えたのだ

みるみるうちに盛り上がった塊

それは遠く流れてきた旅人の屍

いや、彼らは死んではいない

あえていうなら仮死を装っているだけなのだろう

二週間だろうか、それともひと月だろうか

やがてその塊が一気に落下する時

旅人はまた行き先の知れぬ旅を続ける

こんな旅の仕方があったのだ

一切の音が消えた世界をもし例えるなら

やはり死いや仮死の世界こそ相応しい