旅の途中

浅草三社祭 奉納「びんざさら舞い」

ここ最近は、祭りの中で奉納される神楽や田楽、田遊びに

興味を持って訪ね歩いているのですが、随分いろいろな神事が

あるものでしてね、

田楽というのは平安時代頃まで遡る日本の伝統芸能なんです、

どうやら 田楽には びんざさらを使う踊りを主としたものと、

擦りささらを使う田はやしや とに分かれているようで、

浅草に残されているのはびんざさらを使う踊りを主とした田楽の

ようです。

三社祭というと、威勢のいい神輿振りが注目を浴びてしまいますが、

神輿だけではなく、伝統神事も大切に行われているのですよ。

三社祭の初日に、大行列が繰り広げられるのですが、その行列の中に

びんざさら舞 がありましてね。

浅草の廻りがまだ田圃だった昔、五穀豊穣を祈願して奉納する舞が

行われていたのです。

その伝統を受け継いでいるのが千束七ヶ町を中心とした

「神事びんざさら保存会」で三社祭の初日に拝殿で奉納舞いが、

その後、舞殿で舞われるのです。

飾り笠に金襴袍衣・袴姿、手にびんざさらの三人の舞い方と

腰太鼓の二人の舞い方、笛二人、大太鼓一人、

なお拝殿での奉納舞いには最初に男獅子・女獅子による

子孫繁栄を祈る舞いが奉納されますが、暗くて外からは

良く見えません、舞殿ではこの獅子舞は割愛されています。

今回は、役員さんの説明を聞いておりましたが、

どうやら四つの舞いが行われておりました。

 「種蒔」         たねまきの所作

 「肩揃(かたぞろえ)」  田植えの所作

 「鳥間口(ちょうまぐち)」ツグミが害虫をついばむ所作

 「蹴合(けあい)」    豊作祈願の所作

この びんざさら舞い は七百年ほど前から続いているらしく、

まだ四百年ほどしかない江戸の町の歴史の中では貴重な伝統神事

でありますよ。

他の田楽・田遊びを見てきた中では衣装装束がなかなか派手やか

なのは浅草の見得があるのでしょうかね・・・

粋といなせと派手が交じり合った祭りはもしかしたら浅草を

表現しているのかもしれませんですよ。

さてと、まもなく六ケ町連合渡御が始まりますので

そちらへ移動いたしますかね。

(2017.05.14記す)

Categories: 日々

神田明神 » « 神田祭「氏子町内神輿宮入」

2 Comments

  1. 散人さま
     びんざさら というのは五箇山の「ささら」と同じようなものなのですね?
    きっと、神様に踊り手たちからの敬虔な祈りとメッセージが届くようにと大昔の人が願って始められた音楽の根っこみたいな意味があるのかも?などと思いました。

    神社の鈴・柏手・・すべて「俗人が俗な願いを抱えて御前にまいりました・どうぞ私を見てくださいませ」というごあいさつなのでしょうけど

    ならば・・・私のような欲深いBABAは
    大きな銅鑼でも打ち鳴らすか!大音響のエレキでも!(笑)
    あっだめですね|そんなことしたら神様の顰蹙かって「さがりおろう!」と叱られそうです

    しずか~にやはり箏でも弾きますか!!!

  2. 旅人 散人

    2017年5月22日 — 9:35 PM

    まい様
     
     まつりを始めた昔人たちは、神と一体になれることを
    願ったでしょうね、多分、楽器を持たない人々は唯一の
    声で神に語り掛けたのです。
    「ウォー!」とか「やーっ!」とか言葉にならない掛け声
    ではなかったですかね、やがて神にこちらへ向いていただく
    ために拍手(今も里神楽では二拍手すると神が振り向く所作
    があります)、そして田楽が始まるとささらや鈴が登場、
    さらに太鼓と笛が登場するとお囃子が生まれ祭りがいよいよ
    華やかになるのですね。
    もし、まつりにお囃子が無かったら、きっとまつりに夢中に
    なれなかったかもしれませんね。

    雅楽では大きな銅鑼が鳴り響くことがありますが、もしか
    したらまい様の仕業でしたか・・・(笑)
    今年の三社祭も真夏のような暑さの中で終わってしまいました。
    みんな、腑抜けみたいになっておりますよ。

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