八月のお盆の時期は、深川富岡八幡宮のお祭りなんです、

しかし、今年は陰祭りで神輿連合渡御はありません、

やっぱりあの盛大な神輿が担がれない祭りは、

気の抜けたビール、いや、アタシは下戸ですから

あったかいラムネみたいなものですかね。

実は、陰祭りは三年前から、もっと祭りの楽しさを

大人だけでなく子供達にも知らせなければ、と 

子供神輿の連合渡御を行っているのです。

子供達に祭り文化を伝えるには、大人達と同じように

実際に祭りに参加させ、神輿を担がせることも大切なこと

なんですね。

そんな祭り好きの深川人達が、子供達のために裏方に徹して

祭りを行っていることに拍手喝采ですよ。

いくら大人たちが大騒ぎしたって、いつかは年取って神輿も

担げなくなる時がやってくるのですからね、

こうして子供中心の祭りを、町中で盛り上げることは

なによりいい祭り経験を子供達に伝えられることでしょう。

いつものように、深川富岡八幡宮を訪ねたのは、

もう恒例になった 奉納太鼓を聴くためでした。

しかし、ここでもいつもと様子が違うのです、

どうやら、神輿渡御だけではなく

子供達を、日頃の稽古の成果を発揮させるために

太鼓の舞台に登場させているのです、

いつもなら、気合の入った太鼓を聞かせてくれる、

地元の葵太鼓の面々も世話役に徹しているのです。

そうです、陰祭りは子供達のために開催されている

といっても過言ではないでしょう。

そういえば秩父の川瀬祭りも子供達中心のまつりでしたし、

府中や八王子の祭りでは子供達が神楽舞いを楽しそうに

踊っていましたし、毎年九月に開催される伊香保まつり

でも子供達に樽みこしを担がせてあの階段の町を元気に

登っていく様は、大人たち祭り人のなんとも優しさのこもった

まつりでありましたっけ。

地元葵太鼓の面々も、さきほどからそわそわ落ち着きがありません、

舞台に登場した子供達、二年間の猛稽古で、本日が初舞台の子も

いるらしく揃いの法被を着て、少し緊張しています。

どうやら葵太鼓の面々の子供達さんが舞台に上がっているらしく、

自分の演奏では堂々たる太鼓を打つ猛者も、もう心配で仕方ない

という表情、

祭囃子を無事打ち終わった瞬間、舞台下で固唾を呑んでいた親父が

思わず感激の涙を流していた姿は何よりも感動してしまい、

こちらまでもらい泣きしてしまいました。

感動するのは、オリンピックだけじゃありませんですよ。

祭りには、子供は神の子として扱われるのですが、まさに神の子の

面目や躍如でしたね。

「東川小学校」の生徒達の太鼓が舞台に登場したとき、

どこかで聞いた名前だと思っておりましたが、

そうです、アタシのオフクロが出た学校じゃないですか、

もしかしたら、お盆で戻ってきたオフクロがどこかで見つめて

いるのではないかと辺りをきょろきょろ探してしまいました。

(2016年8月記す)