2010年03月07日(日)
冬のなごり
梅は馥郁たる香りを放ち、
寒桜が咲き始めた
ああ、春が来たよ!
そろそろ身体が春に馴染み始めたと思っていたら
「まだここにいるよ!」
と冬が顔を出す。
一度春に馴染んだ身体はそう簡単に
戻すことなど出来ませんですよ、
コートを羽織り、マフラーを首に巻き
何もそこまで大袈裟にすることは などと呟きながら
それでも散歩だけは続けるのだ。
寒さを敏感に感じ取っているのは
北国へ帰っていく日を先延ばしした冬鳥たち、
冬毛を風になびかせ空を舞う、
家も仕事も無くしたベンチの男が見上げている
それぞれの生き様に 冬のなごり
「そうだ、縁結びなら・・・」
急に思い出してやってきたのは『穴稲荷』、
暗闇の称左衛門狐にそっと手を合わせる。
この暗闇が内緒でお願いするには相応しい気がするじゃないですか。
灯明をあげて手を合わせるのでありますよ。
昨日の天神様と本日のお稲荷様へお願いいたしましたので
後は信ずるのみでございますよ。
『河上の つらつら椿 つらつらに
見れども飽かず 巨勢の春野は』
万葉集巻一 春日蔵人老
暗闇からのっそりと顔を出せば
目にも鮮やかな つらつら椿
上野の春野を思い描くには
これ以上相応しいものはない、
冬のなごりは春待つ人への鎮魂か・・・
(上野恩賜公園にて)
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