2010年03月09日(火)

浅草は冬ごもり

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冬から春に向かうと三日間寒い日もあれば四日間暖かい日がある

というので『三寒四温』などと呼ばれる今日この頃、

梅も咲き、寒桜まで咲き始めたというのにどうしたと

云うのでしょうかね。

『四寒三温』じゃこのまま行くと冬に戻っちまいますよ。

気温1度、おいおい此処は何処なのさ、

下町の楽園、浅草ですよ、

何時ものように表に出てみてびっくり、

「寒い!!」

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「それでも散歩を止めないのが真の旅人というものだ」

誰も言ってくれないので、自分で自分に気合を入れて

歩き出せば、路地の向こうにあの大樹、そうですよ

不景気にも負けず、雨にも霙にも負けずに日に日に

育っていく下町の煙突、いや大樹は何やら希望の印に

見えてくるじゃないですかね。

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こう寒くちゃ閑な爺たちは炬燵で丸くなってると思いきや

どうしてどうしてこの寒空の下、空ろな目で徘徊しておりますよ。

「ご隠居寒くないのかい」

「寒く無いワキャねーだろ、こっちは赤い血が流れてる生身の人間だよ」

「炬燵でも入ってりゃいいじゃないかね」

「ダメ、ダメ、そういう億劫なことしてると寝たきりになっちまうんだよ」

「偉いね!区長さんが聞いたら表彰モノだよ」

浅草の元気爺は老人大国日本の鑑(かがみ)でっせ。

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町内のご隠居の元気を貰って観音様にご挨拶、

いやいや、元気な爺はほんの一握り、あとは

みんな元気なおばさん、小母さんばかり

いやいや女性のパワーには太刀打ちできませんですよ。

もうこの国はとっくの昔に女性の手に落ちてしまったのですよね。

こうなりゃ、邪魔にならず、密やかに、路地の奥を

這いずり廻って静かに余生を送るってのがアタシ等爺連に

残された道ですかね。

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そういえば、源さんの姿が見えませんよ、

どうせどこかの赤提灯で引っかかってるんでしょうね、

「おーい!散ちゃん、こんな日に散歩してると行き倒れになっちまうぞ」

いたいた、ウワサをすれば源さん、

ユデダコみたいな顔で覗いてましたよ、

「そっちこそ酔っ払ってひっくり返るなよ、家に帰り着く前にお陀仏だからね」

やれやれ、もうしばらく、浅草は冬ごもりでございます。

 浅草は 仁王も震える 霙雨  散人

ってか。

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