Oh, my love, my darling, I've hungered for your touch a long, lonely time.
ああ、私の愛しい人よ、いつまでもあなたに触れていたいずっと永い間ひとりぼっちだった

Time goes by so slowly and time can do so much, Are You Still Mine?
時はただ過ぎていくだけなのに 全てを変えていく 君はまだ私のものなのかな

I need your love, I need your love, God speed your love to me!
君が愛が欲しい 君の愛が、  私への愛を願っている

Lonely rivers flow to the sea, to the sea, To the open arms of the sea.
孤独な川は海へ向かい 海へ海へと流れて 海に抱かれる

Lonely rivers sigh, "Wait for me, wait for me!" I'll be coming home, wait for me!
孤独な川は 私を待ち続けている  私はきっと帰るから 待っていて欲しい

日本語にしてみるとちょっと気恥ずかしい気がしますが、歌になると

しみじみと心に沁みてくるのです。

最近では、映画「ゴースト」の中でライチャス・ブラザーズの歌が流れていたので

映画挿入歌のように思われていますが、実はもっともっと昔から多くの歌手に

唄われていたのでしてね、

ビング・クロスビー、ペリ-・コモ、リッキー・ネルソン、

ザ・スプリームス、ロイ、オービソン、

エルヴィス・プレスリーの晩年の「アンチェインド・メロディ」は涙無しには

聞けないほど感動しましたね。

ザ・プラターズ、トム・ジョーンズ・・・・

多分、この曲ほどありとあらゆる歌手に歌われた歌はそう無いのではないかと

思われるほどです。

私等の年代は、ジャズやスタンダードナンバーが耳にこびり付いた世代

こうして、街を歩いているとあの当時の曲が蘇ってくるのですよ。

中でも、私の大好きだったのが、サム・クックの"Unchained Melody"でした、

サム・クックの訃報が報じられたのは 1964年12月11日、ロスのモーテルの

管理人の女に射殺されたというのです。

私等が大学生で音楽にのめりこんでいたあの時の衝撃は、

その後のジョン・レノンより驚いた覚えがありますよ。

そのサム・クックの「アンチェインド・メロディ」を聞きながら

すっかり華やかさを増した大都会の夕暮れをゆっくりと歩いてみますね。

師走が運んできた冷たい雨、

それでなくても人恋しい季節に、こんな切ない歌を聴いていると

思い出ばかりが蘇ってきてしまいます。

またひとり、知人が旅たっていきました、

生きていれば何時かは逢えるはずの巡り会いに終止符が打たれてしまうと、

今、生きていることの危うさを感じずにはいられないのです。

鎖につながれた人生、

雁字搦めに縛られた人生、

もしかしたら、彼の死はやっと自由になれたということなのだろうか、

いつも自由でいたいと念じていても、そうならないのが人生さ、

いつか必ず自由になれる時がやってくるさ、

そう、あなたにも、私にもね、

それは何時かですって、

それが判ってしまったら、一日だって生きていけなくなるじゃないですか、

「明日です」と判ったらニッコリと笑っていられるかな、

そんな時に、きっとこの曲が聞こえてくるにちがいありませんよ、

「アンチェインド・メロディ」

そう、サム・クックのビロードのような声でね・・・