神田明神下といえば、江戸の昔から粋筋の町として栄えて

おりましたが、今は大都会のど真ん中、周りは巨大なビルに

囲まれてそんな粋な雰囲気も消えてしまいましたが、

神田祭りが始まると、昔町の空気が舞い戻ってくるのです。

路地裏をくねくねと歩いていると、何時の間にか江戸の町へ

紛れ込んだようですよ。

銭形平次がそこの路地から顔を出してもおかしくない、

いや、銭形の親分は小説の世界でしたね、遠くから神田囃子が

聞こえてくるのですよ。

明神男坂の階段を、がらっ八よろしく駆け上がれば、

神田明神様が迎えてくださいますよ。

祭りはすでに始まっておりますが、まだ神事が静かに

挙行されているだけでいたって境内は静かなものです。

江戸時代のの神田祭りといえば、神輿より山車祭りが

盛大に行われていたとか、

数十台の山車を連ねて、江戸城の中へと巡行され、

天下祭りといわれた江戸の華だったのでしょうね。

神田神社も、あの神輿宮入を迎えると、さしもの広い境内は

神輿と人で埋まってしまい、寄り付くこともできなくなるんです、

今のうちに、境内を散策しておきましょうかね。

神田、日本橋、秋葉原、大手町・丸の内など108の町々の

総氏神神田明神様は1300年の歴史を持つ古社ですが、

アタシの大好きな平将門公も、一時は摂社将門神社に遷座された

のですが、

今は三之宮として本殿に祀られているのですよ。

新たに三之宮鳳輦も作られ、神田祭りに巡行されるのですから

こんなに嬉しいことはありませんよ。

人のいない祭りというのも不思議な気分ですが、

今年は神幸祭、神輿宮入りもない陰祭りの年、

本祭りでは寄りたくても寄り付けない 天野屋さんで一休み、

勿論、田舎汁粉を所望、

祭りを前に、ひとり静かに汁粉をすする気分なんていうのは、

呑兵衛にはわからないでしょうね。

祭り気分の散歩の途中でございます。