秋微雨、秋さづい、秋時雨、秋湿り、黄雀雨、
そして秋驟雨・・・
雨を表現する言葉をこんなに沢山持っている国は
そう多くはないでしょう。
秋の雨はしとしととせつなげに降るもの
とばかり思っていたのは間違いでした。
どこかの偉い先生が、
やがて東京の気候は沖縄の気候と
同じようにのようになって来るでしょう
と発言されておりましたが、その前兆のような
土砂降りの雨にしばし雨宿り。
まるで南国のスコールのような降り方ですよ。
傘など何の役にも立たない猛烈な雨脚は
それでも10分もしないうちに止むと、
黒雲の間から青空が顔を出す。
出前のおやじさんが早足で通り過ぎ
孫を迎えにきた若いお婆さんがペタルを漕ぐ。
「祭り支度は雨だからって
やらねー訳にはいかねーよ」
氷川神社の境内で 棟梁がずぶ濡れになりながら黙々と
仕事を続けている。
雨の上がった隙を見計らって婆ちゃんを病院から
連れ帰った爺ちゃんが心配そうに空を見上げる。
「滑らんように気つけてね」
「ああ、しっかり手を繋いでおるよ」
家の玄関を閉める音を待っていたように再びの雨
長園寺の軒下で再び雨宿り
つい今しがた何方かが手向けたお線香の煙が
あっという間に消えていく。
今年の秋雨は慈雨なのだと言い聞かせながら
じっと待つ間の東京散歩でございます。
これは紛れも無く驟雨ですよ、
まもなく千住は秋祭り・・・
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