(2015年神幸祭)

五月の声を聞くといよいよ夏祭りの始まりです、

桜にうつつを抜かした桜旅から祭りへと転換するには

格好の季節なんでありますよ。

東京の夏祭りの先陣を切るのは

「鐵砲洲稲荷神社の例大祭」

昨年は御鎮座壱千壱百七拾五年目の本祭りで三年に一度の

鳳輦神輿と宮神輿が氏子町内を巡行する神幸祭の行列を

見せていただきました。

(2015年新富座こども歌舞伎「白浪五人男」)

(2015年新富座こども歌舞伎「義経千本桜」)

実はアタシも学生時代アルバイトで新富町にあった会社の社長さんの

お抱え運転手をやっていたことがありましてね、

この鉄砲洲稲荷神社さんへも何度も参拝に伺っておりましたが、

その当時は確か本社神輿渡御は行われていなかった記憶がありまして

お尋ねすると50年程は出来ない時期があったとのこと、

氏子町内は東銀座(かつての木挽町)、新富町、入船町、湊町で、

このあたりが昔から海に面していたことを今に伝えているのです、

(2016年奉納囃子 東囃子社中)

境内を大勢の人で埋め尽くされた昨年の神幸祭を思い出しながら今年も

やってまいりました鐵砲洲稲荷神社、

「あれ、やけに静かですな」

どうやら今年は陰祭りで、子供神輿だけで、宮神輿も町内神輿も

出ないようです。

さらに、御鎮座一千百八十年記念事業として平成の大改修が

始まってしまい、もうひとつの楽しみでありました

新富座こども歌舞伎も境内では開かれないとのこと、

お訊ねすると、今年は明石小学校の体育館に舞台を造って

開催するとのことで

日を改めて伺ってみたいと思います。

境内の舞殿では東囃子社中による奉納囃子が行われており

しばらくはその祭囃子の音に聞き入っておりました。

東囃子社中さんは浅草三社祭にも雷門町内の居囃子でお目にかかって

おりますので、その江戸囃子は歯切れの良い音で知らずに体が動き出し

そうでございます。

江戸囃子は笛1、締太鼓2(タテとワキ)、大太鼓1、鉦1による五人囃子、

「屋台、昇殿、鎌倉、四丁目、」を演奏するのを「ひとっぱやし」」

と言うのだそうで、東囃子社中さんは浅草蔵前で正当な里神楽を伝承してきた

若山胤雄氏の指導を受けているとのこと、

江戸里神楽の奉納もあり、このところ里神楽に入れ込んでいる身には

見逃せない場でありました。

そういえば、今年の下谷神社大祭には若山胤雄社中さんの江戸里神楽が

観られるので今から楽しみでございます。

(2016年 奉納里神楽 東囃子社中)