各地で秋祭りがたけなわでありますな、

「五穀豊穣」を祈願して祭りを行うのが秋祭りの

目的だったはずですが、どこの街も都会化が進み

ほとんどの人がその街の会社に務めるのが当たり前に

なってしまった現代に、果たして「五穀豊穣」は

みんなの願いになっているのでしょうか、

勤め先からいただく給料で、街のスーパーに

立ち寄れば何でも手に入る時代ですよ、

その食料が、どこから運ばれてきて、どんな人が

作っているのかなんて知らなくてもいいのです。

やっぱり発覚しましたね、偽装米、

消費者がやみくもにラベルだけで判断する結果は、

「国産米」だから安心というまったく裏付けのない信用

の上に立っている危うさが、露呈しただけのこと、

消費者が自分たちの基準を放棄したその時から

拝金主義の商売人は

「どうせ判りっこない」というこれも不確かな確信に

引きずられて他所のの国の米だろうと、何でも混ぜて

しまうことが起こるべくして起こるのです。

とんだ「五穀豊穣」ですよね、

祭でお願いされた神様もさぞびっくりされているのでは

ないでしょうかね。

旅をしていると、

これはオカシイなということに気付くのですよ、

ブランドになっている米の産地が意外に狭い地域なんだなと

気付いてみると、そのブランド米が日本中のスーパーで

売られている現実に ????、

買うか買わないかは消費者の選択に任されているこの国で、

ただ一つだけの基準、ブランド米なら高くても安心という

一番あやふやな基準を捨てることです。

どこかの国の余りにも稚拙な方法で売られる食料を

どこかで笑っていたあなた、そしてアタシ、

まだ稚拙だから見破れるのですよ、

この国の利口な人々は、ぜったに見破られない

方法をいつだって考えだすんですよ、

日本人は勤勉で正直な国民 

というのはもうはるか昔の話、

隙あれば何でも金に換えてしまう人種に

成り下がっているとしたら

祭りで神様にお願いする資格もなくなって

いるのではないですかね。

みんながそうだなんていいません、

この国には一億二千万人の人が

生きているのですから、

でもね、楽な生き方、例えばラベルひとつで

信用してしまう生き方を続けていると、

どこかから巧妙な手口が忍び込んでくるのですよ、

オレオレ詐欺、偽装詐欺、絶対に儲かる話、

安心できる品物、

日本人は世界一巧妙な手口を行使する人種に

なり下がらないために

どうしたらいいのか、

それを一人一人が考えていくしか方法はないのです、

ダメですよ、ほら、また簡単な方へいっては・・・

ほら、石川五右衛門が昔言ったじゃないですか

「浜の真砂は尽きるとも世に盗人の種は尽きまじ」

ってね、

どこで生きようと悪人はいるのが当たり前、

その悪をハビコませないように生きるのが日本人の

誇りですよね。

どんなにみじめなことに出会っても、

旅先で「五穀豊穣」に出会っていると、

この国を信じられる気がしてくるのです。

嘘だと思ったらあなたも旅をしてみてくださいな、

日常の生活では気付かないことに出会いますから。