すっかり夜の帳の下りた境内には思った以上の人々が

集まっております。

今年の奉納里神楽は地元葛飾東四つ木の おかめ会による

  「八岐大蛇退治」

氷川神社の御祭神は須佐之男命ですのでこの演目がぴったり

ですね。

おかめ会さんの里神楽は隅田川神社の奉納神楽いらいです。

(奇稲田姫)

(脚摩乳と嘆き悲しむ奇稲田姫に迫る八岐大蛇)

江戸里神楽では八岐大蛇(ヤマタノオロチ)は人の姿で登場することが多い

のですが今宵はどうでしょうか。

大拍子、太鼓、笛のお囃子が始まるといきなり大蛇姿のヤマタノオロチが

登場してくるではないですか、

随分昔に、出雲大社の神楽殿で数匹の大蛇がのた打ち回る石見神楽の舞台を

見て以来の迫力です。

(嘆き悲しむ奇稲田姫)

筋書きはあまりにも有名な神話ですね、

「悪業のため高天原を追われた須佐之男命が出雲の国・斐川にさしかかると
 脚摩乳(あしなづち)老夫婦が嘆き悲しんでいる、訳を尋ねると、夫婦に
 は八人の娘がいたが、大蛇が毎年あらわれて、七年に七人の娘をとられ、
 最後の一人奇稲田姫(くしいなだひめ)も取られてしまうと嘆き悲しんで
 いる。

 須佐之男命は奇稲田姫を妻にすることを約束したうえでその大蛇を退治
 すると申された。
 奇稲田姫が見つからないように櫛に変えて自らの髪に挿すと七回醸し直した
 酒を用意するように脚摩乳に命じるのです、そして大蛇の現れるのを待つ、
 再び現れた大蛇は用意された強い酒を飲み干すと酔って眠ってしまう。
 そこに現れた須佐之男命は腰に下げていた十握の剣(とつかのつるぎ)で
 八岐大蛇を切り刻んでしまう。

 その尾を割いてみると、中から一つの剣が出て来た。これが天の村雲の剣
 あまりに素晴らしい剣なので天照皇大神に献上され現在も三種の神器の一つ
 となっているのです。
 奇稲田姫を妻に娶った須佐之男命は出雲の須賀の地に宮を建て奇稲田姫と
 夫婦の交わりをし、生まれたのが大己貴神(おおあなむちのかみ)という
 お話です。」

国治めの舞いを終えると、あの言葉を発するのでした

「八雲立つ 出雲八重垣 妻籠に
   八重垣作る その八重垣を」

H27.9.13 堀切氷川神社にて