春になるとにこやかな家族連れが桜の花の下に

幸せを感じながら集まってきます。

あれから半年が過ぎた同じ公園に

凍えるような冷たい雨、

桜樹はその葉を秋色に染めてハラハラと散りいそぐ

人の気配を消した公園に欅が色づき、

雨に濡れた歩道は彩の小道に変わっている。

傘を傾けて梢を眺めると雨粒が顔にあたる、

紅葉色の雨だよ。

道を挟んだ農業高校の敷地に春には咲かない桜がある、

ズボンの裾を濡らしながらその冬桜を見上げる、

「おう!満開じゃないか」

来年の春の桜を想いながらじっと佇む、

桜紅葉は時雨が似合うものかな。