昨年の元旦、初詣で願をかけましてね、

「わき目もふらずに祭りを訪ねてみよう」

もしかしたら、そこから日本人とは何かを

見つけられるかもしれないと考えまして、

正月一日から始動して身体の許す限り巡り巡って

師走の三十一日に振り返ってびっくりいたしました、

別段、数を競っていたわけではなかったのですが、

なんと一年で百ケ所余の祭りをこの眼で見て廻って

いたんですよ、

その祭り旅から何が見えてきたのか、

それは日本人が営々と築き上げ、伝え続けてきた

生きる意味、

いや人生の本意とは何かをこれでもかとばかりに

目の前に晒してくれたのです。

日本人がもっとも大切にしてきたこととは

「もてなすこころ」

を持ち続けること だったんですね。

どの祭りをみても、その神を、人を持て成すこころが

きらきらと輝いていたんです。

ヒトは持て成す心を持ち続けることで、

自分の人生を全うできると信じたのですよ。

それでなければ、どうしてあんなに手間のかかる、

何の見返りも無い祭りに夢中になれるものですか。

神を持て成し、ヒトを持て成し、喜んでもらえることを

自分達の喜びとして生きてきたのが日本人なんですよ。

これだけはっきりと見せ付けられたら、

もう何も迷うことなどありませんでしょ、

祭りとはそのことをみんなに知らせるための

舞台なんです、

その舞台に上がれることこそ、

オ・モ・テ・ナ・シの極地だったんです。

多分、祭りがあるかぎり、もてなす心は消えは

しないでしょう。

祭りに勝る心の充実を得られる方法が他に見つからない限り・・・

祭りを通して、少しでも日本人であることに誇りをもてたら

これ以上の幸せはありません、

さてと、今年も多分祭りの中に埋没して生きているでしょう、

もう体中が祭りに染まってしまいましたから。、

それでも確実に歳はとるわけで、もうそんなに無理が利く歳でも

なくなりました、

まあ、のんびりと生きてまいりますかね。

と舌のねも乾かぬ松の内の明けた日にもう祭りのある場所に

やって参りました。