暦の上ではまもなく冬だと云うのに、東京はまだ

秋の彩にも至らないようですな。

こんな季節を何と呼べばいいのかと尋ねれば

「昔から深秋(しんしゅう)と云うのさ」

と町内の年寄りが教えてくれた。

そうだよ、毎日の天気予報を見てると

同じ日なのに、北の大地は雪が降ったと云うし、

東京辺りはそろそろ枯葉舞い散る『深い秋』、

ずーっと南の海辺ではまだ泳げる夏が居残っているって・・・

だから、あっちこっちに旅をすれば

季節の早どりも出来れば、

過ぎた季節を取り戻すことだってできるのですよ。

この国の人の豊な感性はこの細長い風土が育てたものだと

つくづく感じることでしょう。

ちょいと近所に買い物に出たら、東京の公園の木々が

輝いていた

「何処にも負けないくらい綺麗だよ」

と声を掛けたくなるじゃないですか。

『東 京』 『トウキョウ』と声に出して呼んでみる

やっぱりビルに囲まれ緑など全くない冷たい街のイメージが浮かんでしまう

イメージというのは怖いものですね、

最近の東京は、再開発が進むだけ進んで、高層ビルばかりが

印象に残ってしまうからなのでしょうね、

季節感のなくなった街には、誰だって住みたくないでしょ、

東京には昔から山の手と下町という区分が歴然とあったのですが、

最近は埋立地の再開発が進んで、山の手、川の手、海の手なんていう

区別ができるような気がしませんか、

その中の川の手が隅田川を取り巻く下町、

そうアタシの住み着いている浅草は勿論この川の手、

その川を遡っていくと東京のはずれ足立区、人口65万8千人の

大都市なんです、そこには魅力的な公園が沢山あるのです。

そして此処も東京、朝からのんびり公園散歩、どうです

この鮮やかな彩りは・・・

あれ、十月桜が咲いてますよ。

そして、思う存分朝の空気を吸い込んで仕事場へ

東京もまんざら捨てたもんでもありませんですよ。

さて、貧乏隙なし、今日も元気にさっさと仕事を済ませて

徘徊東京散歩を楽しみますかね、

まもなく消えてしまう『深秋』ですからね。

足立区 水元公園にて