正月松の内から始まった 祭り三昧の日々もいよいよ終わりに

近づいてまいりました、

祭り好きにとっては何と楽しいひとときだったでしょうか、

正に初夢は正夢になったようですよ。

今年の ふるさと祭り東京 には沢山の祭りがやって来てくれましたが、

全てを見ていると何が何だかごちゃ混ぜになってしまうので、

一日にふたつだけと決め、東京ドーム通い毎日通い続けたのです、

最後は 青森ねぶた で締めていただきました。

「ダン・ダ・ダンダン・ダン!」

締め太鼓が唸りを上げ、篠笛が軽やかに音色を奏でる、

手振り鉦(江戸ではちゃんちきと呼んでいます)が軽快な

リズムを刻む、

浴衣にたすきがけ、花笠に豆絞りを付けた跳人(はねと)の若者達が

お囃子につられるように踊り出す、

「ラッセラー・ラッセラー」

  「ラッセラッセ・ラッセラー」

場内の灯りが消されると、人形ねぶたに灯りが入った、

つい先日、高校サッカー日本一になった青森山田学園の

2016年に運行された名人北村 隆氏作の「樊城の戦い」

が暗闇に浮き上がった、

三国志に登場する周倉が于禁率いる七軍を水計で壊滅させ、

未だ抵抗し舟を奪って逃る龐徳を船をぶつけて転覆させ

自身も水中に飛び込み格闘の末捕とらえることに成功する

という関羽に忠義をつくし従った武将の勇姿とのこと。

闇に舞うねぶたの姿の何という迫力でしょうか、

観客席か見つめながら、ひとつの実験を試みてみました、

耳をふさいで音を消してみたのです、

太鼓の唸りも、篠笛の高音も、ちゃんちきの鉦の音も、

そして跳人の掛け声も全てが消えた闇の世界に

人形ねぶただけが舞っている。

「ああ、お囃子の無い祭りはありえない」

とすぐに耳を塞いでいた手を離した、

「ダン・ダ・ダンダン・ダン!」

「ラッセラー・ラッセラー」

  「ラッセラッセ・ラッセラー」

祭りは沢山の人々の想いと其処から弾けるひとりひとりの活力が

重なり合うことで成り立っていることが実感させられました。

なぜ、人は祭りにのめりこむのでしょうか、

それは、一人では何も出来ないことを祭りを通して知っているから

なのではないですかね。

もし、街中で、たったひとりで はしゃぎまわっている人がいたら、

すれ違う人の誰もが、すーっと離れていくでしょう、

でも、そのたったひとりの人が、ひとりまたひとりと集まってくると

何時の間にかとんでもない大きな祭りが出来るようになるのですよ、

祭りとは、絆なしでは成り立たないもの、

反対に、絆の大切さをはっきりと形に表せるものが 祭り というもの

なのですね。

もし、気弱になって明日を信じられなくなっている人がいたら、

声を掛け、一緒に力を合わせましょうよ、

それが、日本人の昔から続く生き方なのですから。

暗闇の中から太鼓・笛・鉦、そして沢山の歓声がこだまする、

「ダン・ダ・ダンダン・ダン!」

「ラッセラー・ラッセラー」

  「ラッセラッセ・ラッセラー」

(祭りの記録は2016年に記したものです。)