『枯葉』  岩谷時子訳詞

あれは遠い想い出 やがて消える 灯影も

窓辺あかく輝き 光りみちた あの頃

時は去りて 静かに降りつむ枯葉よ

夢に 夢を重ねて 一人生きる悲しさ

木枯らしすさび 時は帰らず

この曲がフランスでシャンソンとして歌われて70年になる、

私の人生と同じ時間をこの曲は歌い継がれてきたのですね、

記憶の中にイヴ・モンタン、ジュリエット・グレコ、

そして 高 英男さんの歌が記憶に残っている、

学生時代に越路吹雪さんが岩谷時子さんの訳詞で唄った頃は

銀座の美人喫茶『ボンソワール』で毎日聞かされていた。

もうその喫茶店は消えてしまった。

ジャズメン達も盛んにこの曲を演奏していた、

ビル・エヴァンスのピアノが特に気に入ってレコードが

擦り切れるまで聞いていた。

『枯葉』を演奏し、歌ってきた歌手はかなりの人数にあがるだろう、

しかし、誕生して70年、この曲に係わった人々が次々にこの世から

去ってしまった、

越路吹雪も、高 英男も、ビル・エヴァンス、そして岩谷時子さんまで

その訃報に接する度にこの曲が聞こえてくる。

銀座にて