夏ダ!  祭りダ!

と大騒ぎしているうちに今年の猛暑の夏が

過ぎていく。

一日一回は表を歩くと決めてもう十年、挫折しなかったのは

そう、病気、怪我をしなかったことにとどめを指しますよ。

四年前には、ちょっと歩いても息が上がり、休み休みでなければ

歩けないほどの状態に医師の診断を受けると、

高コレステロール、高中性脂肪、高血圧の三重苦、

美人の主治医女医先生からキツイご指導、

「体重を落として、食事は野菜中心、

トンカツ、テンプラは月に一度です」

そんなこと言われても、

酒も、タバコもやらず、まして女の人には近寄りもせず

修行僧だってもう少しマシだろうと思えるくらい節制してきた

結果がこの三重苦とは

神も仏もございませんですよ。

毎月、通い続けること三年、息切れもしなくなり、

主治医の女医先生のお言葉を信じた甲斐があって、

今は、体重5kg減、コレステロールも平常値、

しかし中性脂肪値だけが一向に下がらないのです。

検査をするたびに、

「また、トンカツ食べてたでしょ」

と女医先生の鋭い指摘に

「一度といわれておりましたから、週に一度に・・・」

女医先生の瞳がキラリ!

こんなことを繰り返しながら、昨日、検査結果を見ながら

女医先生が

「何か運動を始めましたか?」

「いえ、何時も通り、歩いているだけですが」

その検査結果は今までどうやっても落ちなかった

中性脂肪が平常値へ落ちているのですよ。

思い当たることはただひとつ、

今年のこの猛暑の中、二ヶ月も祭りを追いかけ、

神輿を追いかけ、

まるでマラソンを走ったくらい大汗かいていたんです、

勿論、水分補給も怠りありませんでしたよ。

「先生、祭りの効用ですよ・・・」

女医先生は目をパチクリ、

こんなに嬉しいことはありませんですよ、

祭りを追いかけていて健康を取り戻せたなんてね、

「ああ、神様、仏様、アリガタヤ、アリガタヤ!」

というわけで、気分も晴々本日はいつもの

谷中散歩でございます、

ところが、すっかり忘れておりましたが、

谷中・日暮里の氏神様を祀る諏方神社の祭礼じゃないですか、

東京にしては珍しく、下町情緒が楽しめるのが江戸の町谷中、

最近の祭りは、どこも露天商の数が激減して寂しい想いを

しておりましたが、

此処諏方さまのお祭りだけは、その露天商がこれでもかというくらい

軒を並べるのですよ。

射的場で歓声をあげる若い親子、

金魚すくいに子供の瞳が輝き、

町内神輿が大汗をカキカキ坂道を行く。

祭りはさ、神輿だけでは盛り上がらないのですよ、

露店から立ちのぼるいろんな匂い、

雑踏のざわめき、祭り囃しの軽快な音色、

いろいろな音や匂いが入り混じって祭りが出来上がるんですね。

「夏ダ! 祭りダ! 元気の元ダ!」

今日も祭り狂いが町を行く・・・