クリスマス・イヴを独りで過ごすことが、

まだ何か哀しいことのように想っていませんか、

何時からだろう、一流ホテルの眺めのいい部屋を

何ヶ月も前から予約して、ふたりだけで過ごすことが

流行ったのは、

幸せはお金で買えるって想っていたんだよね、

きっと映画の中で観たシーンと重なって、とても素敵なことだと・・・

世の中ってそう良いことばかりが続くはずはないよね、

お金で買った夢なら、そのお金が無くなれば消えていくだけさ、

そうだよ、もうみんな気付いていたんだよ、

幸せになるのはお金じゃ買えないことをね、

街が素敵なクリスマスを演出してくれているんだもの

あとは、漫ろ歩くだけでなんだか嬉しくならないかい、

あのさ、何も男と女のカップルでいる必要はないんだよ、

そこにいち早く気づいたのは、そう女性達さ、

もう日常の生活の中で、仕事も、観劇も、飲み屋さんも、

文化もなにもかも女性が中心に動いていることを知らなかったのかい、

旅をしてごらんよ、旅先で出会うのは、みんな女性同士の仲間ばかり、

「気取らなくていいのよ」

と熟年のオバサマが心からの笑顔をみせてくれるから。

今年のクリスマスは少し雰囲気が違っています、

何処へ行っても、女性同士のグループが祝杯をあげて大声で

笑い転げているんです、

男が演出したクリスマス・イヴの夜を畏まって過ごすより

もっと楽しく過ごせる方法を見つけてしまったんです、

「なんで女性同士なの」

なんてへまな質問に

「おとこなんてつまらないのよ」

女子会と云うのだそうですね、シャンパンで乾杯、ワインの栓が勢いよく

抜かれていく、

ああーあ、とうとう男が頑なに守ってきた牙城も

あの生きがいを見つけてしまった女子会の面々には

あっけないほど簡単に奪われてしまいました。

いいじゃないですか、

クリスマス・イヴにひとりで居るからって俯いていたって

何にも起こりはしませんよ、

ほらあそこでも、そこでも、もう何度目の乾杯でしょうか、

楽しく過ごす夜は、男と女のカップルのためにあるのではない

ことを知ってしまった女性群に、男は何を持っていけば相手にされるのでしょうか、

これで又、独りで過ごす男が増えてきそうな予感がするクリスマス・イヴです。

クリスマス・イヴはロマンチックな夜では無くなるかもしれないね。

そうだよ疲れたら静かに眠ればいい、明日を夢見てね・・・。