春を待つ気分は誰にも希望をもたらせてくれるのですが、

冬を待つ気分はそんなに楽しい気分ではありませんですよね。

これから始まる永く暗い冬に向かって何か楽しみはないだろうか、

夕暮れの散歩はあっという間に宵闇が忍び寄る、

おちおち散歩もままならない、よって散歩は

朝に切り替えると、まだ冬に馴染んでいない身体は

時には悲鳴をあげる。

「ふーっ!寒い!!」

寝ぼけた頭が一瞬にして シャキン!と音がして

すっきりとするのです、

冬にはこんな効用があったかと朝の冷気を

思い切り吸い込んで歩き出せば冬もまた

楽しみが湧くではありませんかね。

秋の名残の紅葉(もみじは)は冬の朝風に

抵抗する気力を無くしたのか、

まるで自らの意思のようにはらはらと舞い落ちる、

一晩で降り積もった落ち葉の上に夜来の雨、

そっと歩いてみるが、雨を吸い込んだ落ち葉は

カサッ とも声を立てぬ、

「なんだか修験者になったみたいだ」

音もなく濡れた落ち葉を踏みしめて歩く。

森の中の小さな稲荷神社の境内は

神の意思がそうさせたかのように

足を踏み入れることさえ躊躇させる、

離れた場所でそっと手を合わせる、

これから永く続く冬日

さてと、どんな出会いが待っているか

冬もまた楽しい と思える日々であるようにと・・・