東京に雪が降った、

積雪23cm、雪国の人に言ったら鼻先で笑われるくらいの雪、

ところが、一気に冷え込んだ寒気は、一晩でその雪を氷に変えて

しまった。

朝の通勤時間の気温は0℃、

目の前で学生が足を滑らせひっくり返った。

さいわい照れ笑いをしながら立ち上がったのでひと安心、

ところが空は抜けるような青空に、通勤の車が一斉に

動き始めてしまった、

勿論、東京である、タイヤはノーマル、信号が赤になって

何時もどおりにブレーキを踏んだ前の車は

そのまま止まっている前車に追突、

やれやれ、止まったまま時間ばかりが過ぎていく、

仕事先まで何時もなら30分のところを2時間半、

これが東京の雪の朝なのですよ。

隣近所の繋がりが薄れてきたと感じていた東京、

それはマスコミの喧伝ですよ、隣近所の人たちが

手に手にスコップを持ち寄って雪かきです、

「ガリ ガリ」

雪の音ではありませんよ、氷を引っ掻いて歩く道を確保するのが

まずは初手、それにしても雪国の人は毎日続けるのですから

忍耐強くなりますよね。

このアイスバーンの道にハイヒールの御姐さんが登場、

「気をつけなよ」

と声を掛けた瞬間、すってんころり

「そりゃ、ハイヒールは無理だろう」

と誰とも無く呟く。

アタシも昔、真冬の札幌でものの見事にひっくり返りましたからね、

その時教えられたペンギン歩きがこういう時に役立つのですよ、

旅の経験は無駄なことはありませんですよ。

雪掻き終わって見上げれば、

公園の木に雪の花、

それもあっというまに消えていく、

東京の雪は儚いものですよ。

(三年前は東京に雪が積もっておりました)