本日は節分会、

「そういえば、今年は正月からまだ柴又帝釈天様に

お参りに伺ってなかったっけ」

旅の無事をお願いに必ず参拝に行っておりましたのに

行かないということは妙に気が引けて、背中の辺りが

むずむずするのでありましてね、

明日が立春なら、本日は大晦日のようなものだからと

いそいそと駆けつけたというわけでございます。

そういえば、前回の柴又の節分は、時間を間違えて

すでに終了したあとで、福豆をいただけませんでね、

今年こそはとポケットの大きい上着を着こんで意気揚々と

やってまいりましたが、いやいや参道は善男善女で溢れ

返っておりますよ。

いつだったか雪の日の節分に出くわした時は、境内が

閑散としていて寂しいものでしたね。

やっぱり まつりごと というのは、大勢さん集まって

みんなで歓声をあげないと気分が出ませんですよ。

「道を開けてください!!」

先触れが声を張り上げる、

ノッシ、ノッシと現れたるは、赤鬼、青鬼の面々、

時々、金棒を振り上げて

「ウオーッ!」

と奇声を発すると、

爺ちゃんに連れられてきた幼子が泣きべそをかきながら

爺ちゃんの背中に隠れる。

帝釈天さまのお使いは神猿、

この神猿と鬼達の問答がなかなか面白くてね、

さてと、境内に入ると足の踏み場もないほどの人・人・人・・・

子供を肩車すると、

「危険ですから、子供さんは抱きとめるだけにしてください」

とすかさずアナウンスが飛ぶ。

そうですよね、これだけの人が、一斉に投げられる「福豆」に

殺到したら何が起こっても不思議はありませんからね。

今か、今か、と待ちわびる群集へ、本堂から追儺式の読経が流れる、

やがて特設舞台に神猿が登場、そこへ赤鬼、青鬼がやってきて

節分問答が始まる、

どうやら、先日の浅草寺の初観音もそうでしたが、

悪霊や厄を鬼に見立てるというのは、

どこでも同じなのかもしれませんですよ。

やがて、問答にやり込められた鬼達が退散すると、

いよいよ豆まきが始まった。

大勢の年男、年女に混じって、関取衆も登場、

威勢のいい掛け声とともに、福豆が雨あられと降り注ぐ、

もう写真どころじゃありませんよ、

頭の上に降りかかる福豆をむんずと掴んだかとおもったら、

はじかれて隣のオバサンの懐へ、

ニッコリ笑って、「アリガトウ!!」

これぞ今年の福笑いでございますな。

大人も子供も老人も入り乱れての福豆争奪戦も

あっという間に終了、

そうですよ、これを長時間続けたら、

血の雨が降りかねませんからね、

アタシの今年の収穫は、袋に入った福豆 二袋、

ありがたく押し頂いて帰りますかね。

帰りにお守りを所望すると長蛇の列、

なるほど、アタシ等は悪霊祓い、厄祓いでしたが、

帝釈天さまは「商売繁盛」でありましたか、

この世は、もちつもたれつ でございますな。