元旦から大雪に見舞われている方々には
申し訳ないような雲ひとつ無い青空です。
東京は正月気分などゆっくり浸っている暇は
どうやらありませんでね、もう全くの平常の日々に
戻ってしまいました、まだ松の内のはずなんですがね。
そういえば、本日は七草粥、朝、鬼姫様が作ってくださった
七草粥をすすって、さて、今年も気合を入れて行きますか と
気持ちをやっと切り替えたとこでございますよ。
博多生まれの義母はがよく口にしていた言葉を思い出したのは
もう何時もの騒々しい街に戻ってしまった路地から青空を
見上げた時でした。
「せからしか!」
関東者には意味がわからなかったのですが、どういう時に義母が
使うかと気をつけていると
静かに過ごしたいのに、忙しかったり、騒々しかったりすると
「せからしか!」
昔は、慌て者の集まりのような下町でも、正月三が日くらいは
店を休み、特に店でも家でも休む暇なく働きずめの母親に
ゆっくりしてもらうのも正月の効用だったんですがね、
今じゃ、元旦から店は開くは、下手すれば普段より正月の方が
忙しい始末、
義母でなくたって
「せからしか!」
と云いたくもなりますよ。
世界に目を向けたグローバルな視野を持とう
なんてことを言い出したのは何処の誰なんですかね、
日本が夜の夜中でも、世界じゃ朝もあれば仕事に精出す昼間も
あるのが地球というものですよ。
その地球上すべてに目を見張っていろっていうですよ、
いったい何時眠るのですかね、
何時休むんですか、
あくせく働いて、手にしたものはなんですかね・・・。
「せからしか!」
はい、暢気なオジサンは、年がら年中のんびりしてるように見えるでしょ、
だから正月働いている人には特に敬意を表するのですが、
(実はアタシも正月から働いているその中のひとりなんですがね、)
だから余計に感じるんですよ、
正月くらいはのんびりしてくださいよ ってね。
きっと、あの青空の彼方から義母は
「あんた、まだそうやってウロウロしてなさるのかね
ああ、せからしか!」
って呟いてるんでしょうね。
「はいはい(返事は一回でいいってよく怒られました)、
こうしてるのも元気で生きるためのささやかな方法でございます、
もうまもなくそちらへ行くことになると思いますが、それまでは
足の、手の、頭の、鈍らぬようにせかせか動かし続けてまいります
その代わりそちらに参りましたらゆっくり眠らせていただきますからね」
青空見上げながら
「ああ、せからしか!」
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