『浅草しぐれ』作詞・作曲:上野たけし

逢えば別れが 悲しいものを
  
  逢えぬ淋しさ 尚更つらい

  あなた偲んで 仲見世通り

  どこか似たよな うしろ影

  ひと目逢いたい…

  夜の浅草 通り雨

笹みどりの歌うこの曲が浅草に流れたのはもう

四半世紀も前のこと、

ひょんなことでこの曲を作った本人

(本名だったので気づかなかったのです)

と一緒に仕事をしたことがありましてね、

音楽とは全く異なる世界でね、

もう一度夢を叶えたいと別れてから五年、

ばったりと出会いましてね、

「よう元気だったかい」

「ああ、相変わらず歌と係っているさ」

「やっぱり歌から離れられなかったね」

あの人懐こい笑顔は昔のままでしたね。

  
 『うるむネオンに 抱かれて眠る

  恋の灯りよ こととい橋よ

  いっそ涙も 思い出さえも

  捨ててゆきたい 隅田川

  頬にこぼれる…

  夜の浅草 露しぐれ』

また名曲が出来るといいね。

そう言って別れた彼の後姿は迷いの無いものでした。

浅草は今日も雨

だからといって この街から人の姿が消えることはない

すれ違う人の数だけ物語が生まれる街、

人の温もりが漂う街 浅草

気取らずに素顔のままで生きる街 浅草

さてと 何時も変わらぬ 浅草散歩

今度は誰と会えるかな・・・