HP「旅の途中」を休止している間も相変わらず
旅は続けておりましてね、
特に祭りを訪ねる旅は思い立ったが吉日で、
列車に飛び乗って出かけるわけですよ。
向かった先は大好きな秩父、池袋から西武線特急で
一時間半は旅心をくすぐるものですな。
秩父神社の祭りといえば真冬の夜祭がなんといっても
見ごたえありますが、
そのの夜祭の中で、ある老人から
「夏も祭りをやっているんだよ」
と思わぬ話を聞けましてね、
なんでも、12月のお祭りが大人達の祭りなら、7月の祭りは子供達が主人公、
山車や傘鉾も同じように曳き回されるのだというのです。
最近は土日に合わせて祭りをやる町が増えているなかで、秩父は、その祭り日を
きちんと守っているのです。
夏の祭りは、「秩父川瀬祭」と呼ぶのだそうですが、秩父神社の境内にある
日御碕宮の祭礼で祭神は勿論素戔嗚尊、7月19日が宵宮、20日が神輿を荒川に
入れて禊をする川瀬祭りなのだとか。
神社の禰宜さんにお尋ねすると、
平成殿の前に一本の桂を指差して、
「この柱を立てることで、神が降臨されるのです」
それはあの諏訪の御柱のように古い形式をとどめているのです、
川瀬祭りの名の起こりをお尋ねすると、
「七月のお祭りは祇園祭の影響を受けておりますが、そのもっと昔から
すぐ傍を流れる荒川で禊をするという土俗的な信仰があったのでしょう、
そのために神輿を川に浸けるという 神輿洗いの神事が今に残されているのです」
「なるほど、それで川瀬祭りというのですね」
秩父神社へ参拝に伺うと
なんとか神幸祭に間に合ったようです、
荒川での禊を済ませた神輿が戻られてきます。
神社境内でひとしきり揉みあうと無事宮入りです、
厳粛な神事を見届けると再び町中へ
屋台と傘鉾の上では、囃し手が提灯を振りながら囃したてる、
「ホーリャイ、ホーリャイ」
そして
山車を曳く 曳き子が声をそろえている、みんな子供達なんです、
まったく冬の夜祭りと同じように子供達に体験させているのです、
そうですよ、この伝承ががなければ祭りは途絶えてしまうはずです、
祭りの本番の中で経験を積ませるという方法こそ、練習ではつかみきれない
祭りの楽しさまでも伝えられるのですね。
H27.7.20 秩父 川瀬祭りにて
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