恒例になった東京ドームでの「ふるさと祭り東京」

は祭り好きにとっては年の始めの楽しみでして、

アタシも第一回から欠かさず観に来ておりますが、

毎回この広いドーム会場に全国の山車や灯篭が運ばれて

くるのです。

今までも青森大型武者ねぶた、

五所川原の五所川原立佞武多、弘前の扇型ねぷた、

八戸三社大祭の人形山車(これも大きかったです)

能登の石崎奉燈など大型の山車や灯篭が運び込まれ

楽しませていただきました。

なにしろこの会場は電線もなくどんな大型の山車や灯篭が

運び込まれても上がつかえて動かせないということが

ありませんので、その大きさを十分堪能できるのですね。

しかし会場のスケールが余りに大きすぎて、いつも見慣れて

いた佐原大祭の人形山車(傍で見るとかなりの迫力です)が

まるでおもちゃのように見えてしまうのです。

さて、今年は何処のどんな大型山車がやってくるのか

会場に入ると、真っ先にその威容を探すのです。

今年、さしもの広いドーム球場に聳え立っていたのは

秋田能代町からやってきた城郭灯篭、

高さが24mを越す大きさにびっくり仰天、重さも20トンを超すらしい、

この城郭灯篭は能代七夕まつりに町を練り歩くというのですよ、

どうやら百年前の七夕まつりには実際に動かしていたとのこと

その後、町中に電線が張り巡らされると、当然この大きな城郭灯篭は

動かすことができなくなり絶えてしまっていたといいます。

能代の町の電線が地下化された二年前に、もう一度あの城郭灯篭を

復活させたいとその機運が一気に盛り上がり、最初の城郭灯篭が完成、

高さ17mの城郭灯篭が百年ぶりに復活したとのこと。

そして昨年は戦国時代の檜山城城主「安東愛季(ちかすえ)」の名を付けた

さらに大きな二基目の城郭灯篭が完成、能代の町を練り歩いたという

その愛季(ちかすえ)城郭灯篭が東京に初お目見えというわけです。

それにしてもでかいです、

天守閣の鯱鉾まで七層に別れた各層には安東氏の謂れが表現されおり、

それぞれ組み立て式になっているらしい、

木枠に和紙を張って絵を描くというモノは、関東の烏山山あげまつりでも

観ることができますが、それでもこの大きさは桁はずれです。

大型トラック35台で運ばれてきたというこの城郭灯篭は果たしてどんな動き方

をするのか固唾を呑んで待ちわびています。

会場の明かりが消されると、能代市長が城郭灯篭の復活を語り始めます。

そして太鼓が打ち鳴らされ、哀切のある笛の音が流れると、一斉に灯りの

点った城郭灯篭が多くの曳き手の掛け声とともにゆっくりと動き始めました。

なんという壮大な絵巻なのでしょうか。

今は真冬の真っ只中、ドーム球場という特殊な会場の中でさえ、

度肝を抜かれそうな様相に、これが本モノの町並みを背景に動き出した

光景を想像するのでありました。

アタシは七夕生まれですので、各地の七夕まつりはずいぶん訪ね歩いて

まいりましたが、こんな凄い七夕祭りを行う町があったのかと、

ただただ驚くばかりでございます。

この城郭灯篭が復活してまだ二年、今年の夏はどんな七夕になるのか

この目で確かめてみたいものですね。

お聞きすれば、城郭の上層に飾られた鯱は、川に流されるのだそうで、

何から何までスケールの大きな七夕祭りのようですね。

わざわざ東京までこの壮大な城郭を運んでこられたその熱意と希望に

応えないわけにはまいりませんですよ。

そういえば、能代の町はまだ訪ねたことがありません、これを切っ掛けに

是非訪ねてみたいものですね。

(能代 天空の不夜城)