青空を悲しいと唄ったのは確か陽水でしたかね、

 ♪涙の言葉で濡れたくはない

    青空 ひとりきり

なんて シュールな歌でしたね、

昨夜の雨が嘘のように晴れ上がった銀座の街中で

そっと空を見上げているのは 孤独な青年だろうか

青空の下で心が浮き立つのは

当たり前だと思っていたが、

もしかしたら、青空は 

悲しみを含んでいるかもしれない

そう思って見上げてみれば

夏の終わりのような青空に見えなくはない。

「ヴォーグ」の店の前で久し振りに

あのピエロに出会った。

何度もカメラを向けたヤツですよ、

何時の間にか姿が消えてしまった

と思っていたのに、

目の前で青空を見上げている

ヤツは変わらずにいたのに、

こちらが気づかなかったということか。

「和光」のショーウインドーは青空が似合う

月ごとに変わるモデルはとうとう裸身を晒した

悲しい青空とでも感じたのだろうか

それとも乱心したということか

悲しい青空は何処にでも顔を出す

みんなが気づかないというだけなのだろ、

明日になれば、誰にも気づかれずに悲しい青空は

消えてしまうさ

誰も望んじゃいないもの

それとも、桜の花の舞台の為に 

一度だけ顔を出したのかな

青空の下でも、さくらは悲しい顔をするもの

本当にあるんですよ、悲しいそうな青空が

みんなが気づかないふりをしてるだけでね