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四年前、四日市場の生出神社の宵宮を厳粛な雰囲気の中で

見せていただいたことが忘れられませんでした。

翌年、山車の町曳き、宮元神楽巡行、そして付け祭りとして

大名行列が行われると聞いて、駆けつけてみれば、台風の直撃で

中止とのこと。

すごすごと戻って、また一年待ちました、

なんだか甲斐郡内とはご縁が出来ていたようで、

今年は、河口湖へ、吉田の火祭りへ、そして生出神社の八朔祭りと

三週続けての甲斐郡内通いになりました。

今回は東京から中央本線で大月へ、ところが富士急行との連絡が

悪く、大月駅で三十分の待ち時間、

こういう時は、日頃の旅が役立つのですよ、

先週に目をつけていた駅前のカフェで、BLTサンドと美味しい珈琲で

腹ごしらえ、各駅停車の電車で二十分で谷村駅へ、

もう駅前から祭り気分が盛り上がっておりましてね、

休憩時間とあって、豪華な山車が勢ぞろいしているではありませんか、

それにしても、その山車の衣装の立派なこと、

屋台山車がぎしぎしと動き出すと、小気味よいお囃子が響く、

どこか粋な音色に聞こえるのは、三味線の音が含まれているからに

ちがいない。

町に電線というものが無かった時代に作られた山車は、

現代に動かすにはなかなか骨の折れることばかりらしく、

先に猿股状の仕掛けをつけた長い竿を持った若衆たちが、

山車の先で、その電線を持ち上げ、その下を山車がゆっくりと

通り過ぎていく。

宮本囃子に守られるように神楽殿が動き出す、先導は独り立ちの

獅子舞である。

どうやら、神輿がないところをみると神事としての巡行をこの

神楽殿が受け持っているのかもしれない。

宮本神楽保存会の面々は、あの浴衣姿というのがいいですね、

山車の華やかさが目立つだけに、ハレの舞台に締りが現れているようで

昔の祭りを彷彿させているのです。

いよいよ、大名行列が始まります。

例大祭というのは、いつの頃から行列をつくることが重視され、

神輿を中心に、神官、巫女、榊に幡、それぞれの役目を持った人々が

長い行列を作って歩くことが行われるのですね。

どうやら、こちらの例大祭では、神事の行列ではなく、

神田祭に現れる付け祭りのような風流が随分昔から大名行列の姿で

行われているとのこと。

江戸時代、かつては谷村藩として栄えていた土地、大名秋元氏三代71年間の

治世をたたえて大名行列を行ったことが伝えられている。

現在の八朔祭は、昭和になって谷村藩時代の治世を忍んで再興されたものだと

いいます。

それにしても、みんな地元の人々が、やるなら十万石の格式をもってやろうと

いう意気込みが奴の姿、警備士の掛け声、

「下ニーィ 下ニーィ」に現れているのですね。

なんといっても一番人気は「姫」様、

腰元に囲まれて静々と歩く姿にかつての谷村藩の繁栄を見る想いです。

大名行列の後姿を見送っていた老婦人は

「この祭りが終わると、谷村もいよいよ秋なんですよ」

とちょっぴり寂しげに呟いていたことが、此の祭りの

本当の意味を語っていたようでした。

また一年、変わらぬ日々が続くように願っていた

祭り旅の途中のことでございます。

(2016年9月記す)